気にかかっていること。

なんの前知識もなく何気なく図書館で借りた
”平場の月”朝倉かすみ著。
この作家自体ぼくにとって初めてでした。
山本周五郎賞を獲っていて
映画化もされているらしいですね。
小中学時代の同級生の二人が
35年ぶりくらいに病院で再会し
惹かれ合い付き合い始めるのだけれど
彼女のほうに悪性腫瘍が大腸に見つかり、
手術を受けてストーマという人工肛門で
生活しなければならなくなる。
(あらすじを書くのはここまでにしておきます)
読後感がとてもヘビーだったため
そのぶんずしりとした何かが
ぼくの中に入り込んでしばらくは
その重みを引きずっていました。
ぼくもだいぶ歳を重ねてきて
ときどき自分の身体が気にかかったり
心配になることがあります。
昔の友だちや同年代の仕事仲間に会えば
体調のこととか飲んでいる薬のこととかが
話題に上ったりする機会も増えました。
幸いぼくは今のところ主だった兆候も
服用している薬もないのですが、
いつ病気にならないとも限りません。
同年代の仲間がご無沙汰している間に
亡くなっていたという経験をしているだけに
しばらく会っていない人のことが
すごく心配になったりします。
そういう年齢になったからなお一層
この小説が重く感じたのかもしれません。
そういう意味で考えさせられる小説でした。

