夏の海と・・・

ひとり夢中になって
 パノラマ写真を撮っていたら
 海がペロリと舌を出して
 ぼくの足を舐めたのだった
 ぼくは慌てて後ずさりしたけど
 2〜3歩下がっただけで諦め
 あとは濡れるにまかせた
 予備の靴なんて持ってない
 ジーンズの裾もビシャビシャ
 裾を巻き上げ靴下を脱いで
 足を太陽のジリジリで乾かしながら
 水平線のビミョーな曲線を
 しばらく眺めていた
 なにも考えない時間
 ぼくは長いことそれを
 忘れていたような気がする
 そしたらスーッと入ってきたんだよ
 とにかくスーッとね
 なんだか楽しくなっちゃった
 くるぶしあたりまで
 張り付いていた砂を
 ポーンとやったら落ちたけど
 靴はまだまだ太陽の力を
 必要としていた


