自然なこと。

記憶というものは時間の経過とともに
色褪せ薄らいで消えていくか、
もしくは朧げになった箇所を想像で補い
脚色されたり上書きされた状態で
脳に定着するものなのだろうか。
つまり過去は変えられなくても
過去の記憶は変えられていく
ということなのかも知れない。
楽しい記憶とか嬉しい記憶は
よりポジティブなものへと増幅され
ネガティブな記憶はオブラートに
包まれて定着するか薄められていく。
もしそうだとすると
思い出したくない辛い記憶というものは
たとえ忘れられなくても
オブラートに包まれたり薄められることで
少しずつ癒されていくのではないだろうか。
それはけっして記憶の操作などではなく
ものすごく自然なことだと思う。