風に吹かれながら。
丘の上に
嵐のような風が吹く
前傾しながら口を開けると
たちまち風が入ってきて
なにもしゃべれない
泣いていないのに涙が目尻を伝う
コルコバードのキリスト像みたいに
大きく両手を広げて吹かれるまま
身をまかせているうちに
私は飛べるような気がした
少し地面を蹴っただけで
大空に高く舞い上がって
今ならどこまでも飛んで行けそう
なにもかも一掃してしまうような風
その調子で夜通し吹き続いて
どこまでも遠くへ私を運んでゆけ
今夜は自分が壊れるくらい飲みたい気分
K. Schaffen
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