雨を降らす機械の話。
コストコ金沢シーサイド店の
近くにあるレトロな雰囲気の煙突。
ぼくは以前からそこを通るたびに
この煙突が視界に入って気になっていた。
今日そのコストコへ買い物に出かけたおり、
少し時間があったので寄り道して
この写真を撮ってきた。
絵になるアングルを探して近くから見上げると
空に雲を提供している機械のように思えた。
要所要所に設けられた足場が
ホームベースのカタチをしている。

ぼくは子供の頃、煙突の夢を見た。
その時のことを今でもよく覚えている。
気の良さそうなおじさんが
一所懸命に煙突の下でなにかを燃やし
ときどき吐き出し口から立ち昇る煙の調子を
見上げながら満足そうな顔をしている。
なにを燃やしているんですか?
ぼくが近づいて尋ねるとおじさんは
水を燃やしているんだよと答える。
水を燃やす?沸騰させるんじゃなくて?
水を沸騰させても雲にはならんよ。
燃やすことではじめて元気な雲になるんだ。
そう言っておじさんは釜の蓋を開けて
ぼくに水が燃えるところを見せてくれた。
おじさんが給水ノズルの長いジョウロで
水を補充すると水は内燃室で激しい渦を巻き
火の勢いが増してゴーゴーと音を立てた。
なんのために雲を作っているんですか?
おじさんは左手で傘の柄を持つ仕草をして
右手で空を指差した。
雨が降らないと植物たちが困るだろう?
あぁ、なるほど!
おじさんの説明はとても説得力があって
ぼくは素直に納得してしまった。
そんな夢を見て以来ぼくは煙突を見ると
どうしても雲を想像してしまう。
あれから長い年月が経った今でもあのおじさんは
一所懸命に釜に水を補充してる、そんな気がするのです。

