進化はどこへ?
キリンの首は最初から
高いところにある葉を食べるために
長かったわけではない。
ある時偶然にも他のキリンより
ほんの少し首の長い個体が現れ、
それが葉を食むのに有利に働いて
そういう個体の生き残る確率が上がった。
それが長い年月を経て進化し、
現在のキリンの体格になったのだという。
それは激しいトレーニングを積んだ
筋骨隆々な人からいきなり筋骨隆々の
子どもが生まれないのと同じ。
進化には長い年月がかかる。
強い者ではなく環境に順応した
個体こそが生き残ってゆく。
つまり進化というのは
いつも偶然という海の中から生まれ、
生きるのに有利なカタチへと変化すること。
チャールズ・ダーウィンによって
世界で初めて”自然選択説”が
提唱されたのは1859年。
翻って私たち人類の歴史について
思いを巡らせてみると遺伝学研究によって
現生人類であるホモ・サピエンスが
ネアンデルタール人と分岐したのが
今からおよそ50万年前と判明。
人間とチンパンジーを比較してみると
その塩基配列の違いは
わずか1.2%に過ぎないらしいです。
しかしながら脳に関しては
大きさも構造も全く別の進化を遂げている。
チンパンジーの脳は400㎤なのに対し
人間の場合は成人すると約1,500㎤。
人間は今や他の生物より
突出した思考能力を有するようになり、
生き延びて快適な生活を送るための
環境を自ら創出することができるように
なったのだと思います。
つまり地球環境や生活環境の変化に合わせて
進化する必要がなくなってしまった・・・。
その思考能力も今やAIに委ねる試みが花盛り。
アバターが自分の分身として仮想空間の中で
コミュニケーションを取りながら
働いたり遊んだり。
ある意味人間は肉体的には
もう進化しないばかりか
退化の道を歩いているのかも知れません。
進化するのはAIのほう。
これってすごく怖いことのような気がします。