視線がビビビッ!

誰かと一対一で話をするときは
面と向かってというより
並んで歩きながらというほうが
リラックスできるような気がします。
あるいはカウンターテーブルに腰掛けながら
というのもいいと思いますし、
クルマの中の運転席と助手席というのも
なかなかのシチュエーションです。
私の場合、面と向かって話をしていると
目の持っていき場所に気を取られたりして、
もしかしたら相手の話を部分的に
聞き逃してしまっているのではと
心配してしまうことがあります。

相手と話をするときは視線を逸らさず
真っ直ぐ相手の目を見なさい
ということをよく言われますが、
あまりジロジロ見るのも相手に対して
失礼な気がしますし、
かなり真剣勝負的な話でないと
私の場合ちょっとムリかも知れません。
気持ちというのは表情に表れるから
そういう意味では相手の反応を知るために
ときどきは見ますよ、こんな私だって。
チラ見って言うんですかね、そういうの。
上目遣いをしてしまうと相手の顔色を
うかがっているように見えたり
やましいことを隠しているように
受け取られかねません。
だからタイミングを見計らって
正々堂々とチラ見するというスタイルが
私にはいちばんしっくりきます。

「・・・って思うんだけど
カタギリくんはなにが好き?」
「ほぇ?あ、いや〜、難しい問題だよね」
「えっ、難しい?アイスクリームの話だよ。
どんなのが好きかって聞いているだけなのに」
「あっ、そうだった、そうだった!
ぼくはチョコジャンボモナカ・・・かな」
「そういうフツーのアイスは
銀座じゃ売ってるお店を見つける方が
難しいと思うわ。ねぇカタギリくん
私の話聞いてた?」
「・・・ごめん。ぼく、こうやって
ユリと面と向かって話していると
アタマがポーッとなっちゃうんだ」
「それ、私の目ヂカラが凄まじいってこと?
威圧感たっぷりってことなの?」
「いや、そうじゃないよ。
魅力的すぎてぼくの心臓の音がユリに
聞こえちゃったら恥ずかしいなって。
だから深呼吸することばかりに気がいって
話に集中できなかったんだよ」
「ふーん、いまは?」
「えっ?」
「心臓の音よ」
「だいぶいいみたい。治まった感じ」
「ダメ!ドキドキしっぱなしがいい」
「え、そんなこと言われたって・・・」
「これでどう?どう?どう?」
「ぅわー!」

美しい眼差しは、あれ、魔法ですね。
さもなくば嘘発見器かも知れない。

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