見つけるために。
ある種の永遠は・・・
幻想の中に存在する
幻想は流転する水に溶け
川に合流して大海に出る
時に荒れ狂う波に揉まれ
時に凪の中で眠りながら
海を離れて空高く昇り
いつしか雨と一緒に
私のもとに降り注ぐ
流転し漂い循環する幻想
それが永遠の正体
「たしかロバートのおじいさまは
盆栽の鉢の上で永遠を見つけたって
おっしゃってなかったかしら?」
「うん。ジュリア、よく覚えているね。
だけどぼくのおじいちゃん、あの頃から
もうだいぶボケていたからさ。
ほんとに見つけたのかどうか
ぼくにはわからない」
「まあ!じゃあスイカの匂いのした
あの時のキスも幻想の中の
永遠だったってこと?」
「い、い、いや、あれは本物の永遠。
たっぷりと永遠だった。誓うよ」
「ふーん。幻想の中にある永遠と
幻想の外にある本物の永遠・・・
どこがどう違うのかしら」
「あの時ぼくたちはふたり一緒に共通の
言葉にできない幸福な感覚を味わった。
それが幻想の中の永遠との違いだと思う」
「ふたり一緒に・・・素敵な答えね。
いまも一緒にいるわ」
「ぼくたちはいま、本物の永遠が詰まった
部屋のドアの前に立っているところさ」
チュッ!
「いまドアノブが回ったみたいよ」
チュッ、チュッ!
「あっ、ドアが開いた感じがするわ」
※今日の横浜は晴れときどき曇り。
フレディ、かなり寒いけど
本物の永遠を探しにしゅっぱ〜つ!