考え方次第。
真面目っぽいこともたまには考えるけれど
たいていはくだらないことや
どうでもいいこと
こっそりしたこと
馬鹿馬鹿しいこと
堂々巡りのようなこと
あきれるようなことを
考えたりしている
そんな自分を
ろくでもないヤツだと思う反面
心のどこか端のほうで
許してやりたいとも思う
できればもう少し
真面目なほうとか
向かわせてあげられれば
もっとマシな人生へと
向かうのかも知れない
ん?もっとマシな人生?
「フレディ、もっとマシな人生って
どんな人生だと思う?」
「今という時を大切にする人生って
ことじゃないっすかね」
「今を大切に・・・かぁ。
くだらないことを考えている時って
今を大切にしてないってこと?」
「ご主人様、そうではありません。
なんのためにもならないことを
なんの考えもなしに惰性で続けるのは
ちょっともったいないかなと。
遊びというのは考え方によっては
非生産的なこととして目に映ったり
くだらないことと感じたりします。
だけど気持ちをリラックスさせたり
ストレスやプレッシャーを
解放してくれるような働きをするなら
それはご主人様にとって大切なことに
入るんじゃないでしょうか」
「考え方次第ってこと?」
「さいでございます」
「あぁ、よかった!」
「ですがご主人様、ご主人様の場合
くだらないことを考えている時間の割合が
人並外れているような気もします」
「やっぱりそうかぁ。そうだよね。
ところでフレディはそのあたりどうなの?」
「あっしは遊びが仕事、
遊びがライフでございます。
それはそれで大変なことでもあるんですよ。
あっしが外で愛嬌を振り撒くことで
ご主人様もずいぶんと交友関係が
広がったかとお察しいたします」
「うん、確かにそうだね。
飼い主さんとの交流からテニス仲間に
発展する仲間もけっこうできたしね。
フレディ様様だよ」
「ご主人様のお役に立てているなのなら
あっしも真面目に遊び呆ける甲斐が
あるってものでござんす」
「真面目に遊び呆けるかぁ。
ご主人様もかくありたいよ」
「ではこう考えてみたらいかがでしょう。
仕事は遊びの延長線上にあるものだと。
くだらないことや非生産的なことを
考えているうちにアイデアが閃いたり
解決方法が見つかったりすることも
あると思うんですよ。
そうであるならろくでもないことを
考えている時間も捨てたものじゃない。
宝の箱を覗いているような時間に
匹敵するような気になったりします」
「おっ、いいこと言うねぇ、フレディ!
仕事を仕事と思うから
プレッシャーがかかったりする。
だけど仕事も遊びのひとつと思えれば
どんな仕事も楽しいものになる。
瓢箪から駒が出るかもってわけか」
「肝心なのは駒ができたところで
削るのをやめるってことだと思うんです。
惰性で削り続けていたら
それこそすべては削りかすの山に
なってしまいますから」
「うん。なんだかこうしてフレディと
話しているうちに駒が生まれたような
気がしてきたよ」
「ならここらで削る作業は終了ですね!
できた駒は金ですか?それとも玉?だなんて
間違っても聞いてはいけません」
「・・・フレディ、ホントはもっと会話を
続けたいと思ってるでしょ」
「はい。暇なもんで、つい」