深い映画。

日曜日の昨日、朝の散歩の途中
 アスファルトの上に色鮮やかに紅葉した
 ナナカマドの葉が落ちていました。
 何枚か持ち帰ってソファの上に置いたら
 とてもいい感じだったので写真を撮りました。
 それから朝ごはんを作って食べ、
 出かけるまで時間があったので
 ”生きる Living”という黒澤監督作品の
 リメイク版(イギリス映画)を観たら
 偶然にも映画の中にスコットランド民謡の
 ”ナナカマドの木”という歌が流れたのです。
 主演を演じた英国俳優のビル・ナイが
 とても印象的な歌い方をしていました。
 黒澤監督の”生きる”では志村喬が
 ”ゴンドラの唄”を歌っていましたね。
 映画を観終わった後でもう一度
 ソファに乗ったままになっている
 ナナカマドの葉を見ながら
 歳を重ねるということの意味を
 ぼんやりと考えていましたら
 少し涙腺が緩んでしまいました。
 涙脆くなるのは歳を取った証拠なんですかね。
The Rowan Tree
Oh rowan tree, oh rowan tree
 Thou’lt aye be dear to me
 Entwined thou art with many ties
 O’hame and infancy
 Thy leaves were aye the first of spring
 Thy flowers the summer’s pride
 There was nae such a bonnie tree
 In all the countryside
How fair were’t thou in summertime
 With all thy clusters white
 How rich and gay thy autumn dress
 With berries red and bright
 On thy fair stem were many names
 Which now no more I see
 But they’re engraven on my heart
 Forget they ne’er can be
We sat aneath thy spreading shade
 The bairnies round thee ran
 They pulled they bonnie berries red
 And necklaces they strang
 My mother, oh! I see her still
 She smiled our sports to see
 With little Jeannie on her lap
 And Jamie on her knee
ああ ナナカマドの木よ
 私の愛しき木
 その枝はいくつも絡みつく
 我が宿 そして我が幼き日々に
 その葉は春の訪れと共に芽吹き
 夏の盛りに花を咲かせる
 我がふるさとに
 これより他に愛しきものなし
夏に その茂みは白く
 なんと美しいことか
 秋の装いに 赤く輝く実をつける
 なんと豊かで 華やかなことか
 美しい茎に浮かぶ 数多の名は
 私にはもう見えない
 されど 我が心に刻まれ
 忘れることはない
我らはその伸びゆく木陰に座り
 幼子らは駆け回り
 愛らしく赤い実を積んで
 首飾りを作る
 ああ 我が母よ その姿が見える
 子らの戯れを見て 微笑む
 小さなジーニーを抱え
 ジェイミーを膝に乗せて


