最悪のボタン。

夢みたいなことが起こると
ほっぺたをつねって確かめたくなる。
痛さを感じたらそれは現実の出来事、
感じなければ夢の世界にいることになる。

「エリ子さん、今ぼくたちがこうして
一緒にいるって嬉しすぎちゃって
とても信じられないよ。
これが夢じゃなく本当のことかどうか
確かめたいんだけど、いい?」
「どうぞ」

ギュッ!

「痛っ!なにすんのよー!痛いじゃない!
確かめるなら自分の頬でやりなさいよー!このー!」

ギューーーッ!

「痛・・・くない。あれっ、痛くないよ!
これ、ひょっとして・・・」
「そうよ。これは夢の中の出来事」
「なーんだ、夢の中の出来事かぁ・・・
えっ、今、夢の中にぼくたちはいる?」
「そうよ!な、な、なによ、その目つきは。
いい?ヘンなこと考えたらこのボタン押すわよ」
「それってなんのボタンなの?」
「世界を終わりにするボタンよ。
それ以上近づいたらホントに押すからね」
「世界が終わる?そんなアホな。
近づいちゃお〜っと」

ポチッ!

”カタギリ〜 アサダヨ〜 ハヨオキンサ〜イ
カタギリ〜 アサダヨ〜 ハヨオキンサ〜イ
カタギリ〜 アサダヨ〜 ハヨオキ・・・”

なんだよ〜、せっかくいいとこだったのに〜。
ウゼ〜なぁ、この目覚まし!
あれぇ?ほっぺたが紫色になってるじゃん。マジか。

https://www.youtube.com/watch?v=-PTi8Lk-aSE

※写真の黒い点は木星を周回する
衛星ガニメデの影だそうです。
木星探査機”ジュノー”によるワンショット。
木星の表面はゴッホが描いたみたいに
美しくウネウネっとしています。(写真:NASA提供)

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