春の予感
何度も何度も心に思い描き
その時が来るのを待っている
雪に覆われた静寂の冬から
命の息吹を感じる春になるのを
眩いばかりの陽が射してきて
氷が徐々に溶け始めている
溶けた水は細い川になって
まもなく遥かな海への旅に出る
植物たちは待ち焦がれている
鳥たちも青い空を見上げている
待ちきれない 待ちきれない
それは春の歌 それは悦びの風
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まもなく春がやって来るよ
準備はいい?って自分に問いかけてみる
暗い色の厚い服を着たままでは
なかなか春がやって来ない気がして
箪笥の中を引っ掻きまわし
春に相応しい服を探す 探す 探す
散々探しても古くさい服ばかりで
春の服は見つかりませんでした
そうだ!なければ買いに行けばいいんだ
そんな単純なことにやっと気づいて
私は思わず笑ってしまいました
だけどまもなく去っていく冬という
季節も嫌いじゃありません
本当の美しさは冬にある気がします
余計なものを全部削ぎ落として
シンプルにしてくれるから、なのかな
ただ寒いのが苦手なだけなのです
温まることは大好き 当たり前ですね
冬はまず温まることを考えます
春は部屋から抜け出すことを考えます
新しい服を着て外に出る
今年は春が来るのが早そうですね
小学生のころ感じた遠足の待ち遠しさを
散らかった箪笥の前で思い出していました