春の予感

何度も何度も心に思い描き

その時が来るのを待っている

雪に覆われた静寂の冬から

命の息吹を感じる春になるのを

 

眩いばかりの陽が射してきて

氷が徐々に溶け始めている

溶けた水は細い川になって

まもなく遥かな海への旅に出る

 

植物たちは待ち焦がれている

鳥たちも青い空を見上げている

待ちきれない 待ちきれない

それは春の歌 それは悦びの風

 

***************

 

まもなく春がやって来るよ

準備はいい?って自分に問いかけてみる

暗い色の厚い服を着たままでは

なかなか春がやって来ない気がして

箪笥の中を引っ掻きまわし

春に相応しい服を探す 探す 探す

散々探しても古くさい服ばかりで

春の服は見つかりませんでした

そうだ!なければ買いに行けばいいんだ

そんな単純なことにやっと気づいて

私は思わず笑ってしまいました

だけどまもなく去っていく冬という

季節も嫌いじゃありません

本当の美しさは冬にある気がします

余計なものを全部削ぎ落として

シンプルにしてくれるから、なのかな

ただ寒いのが苦手なだけなのです

温まることは大好き 当たり前ですね

冬はまず温まることを考えます

春は部屋から抜け出すことを考えます

新しい服を着て外に出る

今年は春が来るのが早そうですね

小学生のころ感じた遠足の待ち遠しさを

散らかった箪笥の前で思い出していました

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