星をもらった。

「こうやってジュリアが助手席に
座ってくれてるなんて夢みたいだよ」
「うれしい?」
「もちろん!最高のドライブ、
忘れられない日になる予感がするよ。
あっ、オナラが出そう」
「キャー!ダメ〜!ぜったいダメ!
なに腰あげてんのよー。我慢して」
「え〜っ、できないよ〜」
「ロバート、ここはクルマの中よ。
ここでプッとやったらどうなる?
なにかスマートな解決策を考えて」
「・・音を出さないってのはどう?」
「ロバート!」
「あっ、いいこと思いついた。
さりげなく自販機の近くにクルマを停めて
あったかい缶コーヒーを買いに行く。
そこでプッとやるってのはどう?」
「冴えてるじゃない、ロバート。
それこそスマートってものよ」
「あっ、ドライブイン!入るよ」
「えぇ、そうして」
「えーと、財布は後部座席の
ジャケットのポケットの中に・・・
よいしょっと」

プーッ!

「キャー!!! ロバート!いいわ、
あたしが買ってくる!
窓、フルオープンにしておいてね」
「あぁ、ゴメン。そうするよ」

「ロバート、どう?これ」
「”未来が少しだけ見える気がするコーヒー”?
ずいぶん長い名前の缶コーヒーだね。美味しいの?」
「わからないわ。でも缶コーヒーを飲んで
私たちの未来が少しでも見えるなら
飲んでみる価値があると思わない?」
「うん、興味津々。ジュリア、飲んでみて」
「なに言ってるの。ロバートのために
買ってきたんじゃない。お先にどうぞ」
「じゃあ飲んでみるよ」
「どぉ?」
「・・・・・・・・・」
「どぉ?」
「普通の缶コーヒーの味だよ。
特になにも見えな・・・・
あっ、いや、待って。ぼくの未来が
ほんの少しだけ見えた気がした」
「えっ、ホント?どんな未来?」
「ベンチに座っていて、
なぜかぼくは泣いている。
鼻水もたっぷりでてる。
それをジュリアが気の毒そうに
ハンカチで拭いてくれている。
そんなシーンだった」
「なにそれ。ヘンなの。
ロバートはなんで泣いているの?」
「わからないよ。将来なにか
悲しいことが起こるのかなぁ」
「でもたとえ悲しいことが起こっても
あたしが隣にいるのよね?」
「あっ、そうじゃん!
だけどジュリアの前で鼻水はカッコ悪いかも」
「なによ鼻水くらい。プッに比べたらへのかっぱよ」
「今日は一段と冴えてるねジュリア」

「さぁ着いたよ。富士急ハイランドって
どんなアトラクションがあるの?」
「あたし、ドドンパ!これに乗ってみたいわ」
「決まりだね。レッツゴー!」
「ロバート、ドドンパ、大丈夫?」
「ジュリアと一緒ならね」

「えっ、あっ!ぅぎゃ〜〜!
ぅおーー、ダ〜〜ッ!ふぉわー!」

「終わったわ。どお、立てる?」
「も、もう少し、待って」
「ロバート・・・、そこ、座って」
「ジュリア、ぼく、生きてる?」
「生きてる・・・けどすごい顔。
鼻水が耳に流れてるわ。
拭いてあげるからこっち向いて」
「ジュリア、ぼく、なんかこの光景、
どこかで見たことがあるような・・」
「あっ!未来、見えていたのね。
すごいわ、あの缶コーヒーの効力」
「たしかあの後ジュリアも飲んだよね?」
「えぇ」
「どんな未来が見えたの?」
「 ロバートとフレンチの
フルコースを楽しんでいたわ」
「へぇ~・・・えっ?」

※友だちから”星”をもらいました。
家庭版プラネタリウム。
2001年宇宙の旅に登場する
ディスカバリー1号みたいなデザイン。
すごく嬉しい。
夜空を眺めながら星を語れる
ナイスなオトコにならねば!

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