感謝の日。
もうずっと前の話。
かつての映画評論家の淀川長治さん(故人)は
雑誌か何かのインタビュー記事で
こんなことを語っていました。
”誕生日というのは彼女から
プレゼントをもらって有頂天になったり、
もらえなくて項垂れたりする日ではなく、
産んでくれたお母様に感謝する日です”。
その当時は、なるほど誕生日を
そんなふうに考えている人も
いるんだなぁっていう程度に思っていました。
でも淀川さんのおっしゃったことが
いまなら身に沁みてよく分かります。
誕生日というのは誰かからおめでとうって
言ってもらう日ではなく、
産んでくれた母に感謝する日。
もちろん人から祝福されるのは
とても嬉しいことに違いないのですが
それがすべてではないということを
淀川さんに教えていただいたということです。
なぜそんなことを思い出したのかといいますと、
先日、忌野清志郎のデイドリームビリーバーが
カーラジオから流れていたからです。
この歌は今は亡き恋人に思いを馳せた歌なのかなと
ずっと思っていましたが、
実は彼が3歳の時に死別した実母が遺した
思い出のノートを読んで作られたものらしい。
すごく有名な話らしいですね。
だからなのでしょうか、
モンキーズのメロディに乗せて歌われる
この美しい歌は、ときどき私の胸を
締め付けてしまうのです。