忘れたくないこと。

宝箱の中にしまってある
大切なものを
取り出して
眺める時みたいに
幸福な記憶が蘇った時には
私の耳にいつもあのメロディが
やさしく流れてくる
そして私は知らないうちに
宝箱の中に入ってしまう
だれにも見つけられない
私だけの愉悦の時間
幸福な思い出とあのメロディ
明日また新しい宝物を入れるつもり
あのメロディに似合う素敵な幸福を

「ジュリア、オルゴールからは
どんなメロディが流れてくるんだい?」
「知りたい?」
「うん」
「当ててみて」
「・・・ロッキーのテーマ」
「ロバート、ウケを狙っているのね。
私がそんなことで笑うとでも思う?」
「いや、だってベンチプレスに座って
書いたっていうから」
「それはねぇ、ベンチプレスの上って
思索に耽るには持ってこいだからよ。
90キロを持ち上げた後だと充実感が漲って
いろいろなアイデアが湧いてくるわ」
「そういうものなの?」
「私の場合はね。どう、降参?」
「うん、降参」
「じゃあ教えてあげる。
シンディ・ローパーの”Time after Time”よ」
「あっ!」
「そう。初めてロバートとドライブに
出かけた時にカーラジオから流れていた曲。
あの歌は私を幸せな気持ちにしてくれるの」
「ジュリア・・・」
「ロバート、キスしてみて」
チュッ!
「流れてきた?」
「・・・ダメみたい」
「えっ?」
「おかしいわねぇ。もう一度」
チュッ!
「どう?」
「ん〜、まだみたい」
チュッ!チュッ!
「あっ、いい感じ。でもまだダメ」
チュッ!チュッ!チュッ!
「もうちょっとだと思うわ。がんばって!」
チュッ!チュッ!チュッ!チュッ!チュッ!
「ロバート、フィボナッチ数列で
攻めてくるのね。次は何回かしら」

たぶん8回だと思いますが、
そんなことよりせっかく覚えた
カッコいい数学用語を
自分で忘れてしまわないようにと
こうして書いておくことにしました。
Time after Time、詩が好きなんです。
私は英検白帯ですから気になる曲は
どんな歌なんだろうってよく調べます。
そして・・・また忘れる(笑)。
でもいいんです、それが私ですから。

※写真の花はミヤコワスレ。おそらく。

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