好奇心と想像力と。
エンジンに火を入れるために
生まれた点火プラグが
今は近所のお宅の塀の土台を支える角材に
すっぽりハマって異彩を放っていた。
どうしてこういうことになったのか
経緯がまったく想像できない。
角材と点火プラグと。
あまりにも唐突なミスマッチを目にすると
それをどうにか自分自身で”解釈”しようと
無意識に頭が働いてしまうんでしょうね。
分からないところを想像力で埋めたくなる。
私のようなムダな好奇心の持ち主は
わざわざ写真まで撮ってしまう。
そしてムダな想像力を膨らませる(笑)。
「おいおい、こんなところを
写真なんか撮るなって!
オレだってなにも好き好んでこんなところに
いるわけじゃないんだからさぁ」
「そうだろうね、そうだと思うよ。
でもさぁ、なんだかとっても気になるよ。
もしよかったらどういう経緯を辿って
ここにいるのかを教えてもらえない?」
「・・・話、長くなるよ」
「あっ、いま散歩中だから
手短にかいつまんで話してくれたほうが
ありがたいんだけど」
「犬か?」
「そう。トイレする場所を
探しているところだから」
「オレにひっかけたらタダじゃおかねぇぜ」
「あぁ、なんか匂いを嗅ぎ出したみたい。
ちょっと危ないかも」
「ひょえ〜、さっさとどっか行きやがれ!」
慌てた点火プラグがスパークしそうになったので
ぼくとフレディはその場を後にしました。
だけど話が長くなるって・・・
どんな複雑な経緯を辿ったんだろう・・・点火プラグ