夢ですからね。
日本茶の製法を学ぼうと
宇治(京都)まで一人旅する夢を見ました。
クルマだったか新幹線だったか
何を使って行ったのか憶えていません。
夢ですからね。
現地の古風な造りの和食処で湯葉丼を
食べながら家庭画報を捲っていたら、
ちょうど茶園の特集が組まれていて
“抹茶っ茶の国 漆原”という
奇妙な名前の茶園が目に止まり、
そこで茶畑と工場を見学させて
もらうことにしようと思ったのです。
湯葉丼の味は分からなかったけれど
ぼくは満足します。夢ですからね。
食べ終わって会計をしている時、
何気なくレジ係の女性の顔を見たら
その人が仲のいい友だちだったので、
ぼくはすごくびっくりします。
どうして彼女がここで働いているんだろう。
彼女のほうはぼくがどうしてここに来たかを
すでに知っているみたいでした。
「この店で出すお茶は漆原のお茶よ」
そう自慢気に話してウインクしながら
お釣りをぼくに手渡します。
そして「漆原茶園は秘密主義企業だから
たぶん見学はお断りされるかも」と続けます。
そうなんだとぼくが落胆していると
「でも安心して。あなたはラッキーだわ。
私、顔が利くから一緒に行ってあげる」
これはまさに渡りに船!夢ですからね。
着いた漆原茶園の茶畑には
うっすらと雪が積もっています。
これでは茶摘みはできないと諦めて
加工場のほうに歩いて向かいます。
工場内部は乾燥機の音こそするものの
なぜかどうみても染色工場なのです。
乾燥機の窓からは染め上がった反物が
くるくる回転しているのが見えます。
「私はいつもここで着物を作るのよ」
ふーん。それはわかったけど
茶葉の手揉みの仕方とか
蒸し方とかの見学のほうは
いったいいつ見学できるのだろう?
それを彼女に聞こうとしたら
彼女はぼくに背を向けて歩き出し、
乾燥機と作業台の間に置かれた
アップライトピアノの前に立ち
そのまま上品な中腰で鍵盤を弾きながら
ぼくの知らない歌を歌い始めます。
それがなんかすごく美しい歌なので
ぼくは聴き惚れぼーっとしてしまいます。
しばらく聴いているうちに
なんていう歌だろうと
そっと彼女の背後に近づいて
譜面台に乗っている楽譜を覗いたら
それは楽譜なんかではなく
デカデカと毛筆でたった四文字
”華原朋美”って書いてありました(笑)。
ぼくは目が覚めたとき
もう日本茶の製法のことなんかより
華原朋美の歌のほうが気になり
YouTubeで探してみましたが
それらしい歌は見つけられませんでした。
当たり前ですね、夢の中の歌なんですから。
でもねぇ、いい歌だったんですよ。
今となっては歌詞もメロディも
まったく覚えていないんですけどね。
※不思議な家を見つけました。
どうやって家の中に入るんだろう?
夢の中の写真ではありませんよ。
カメラアングルの反対側には
いくつも窓があってカーテンが
吊り下がっているところをみると
すでに人が住んでいる様子。
どうやら未完成ではなさそうです。