ロマンチックな星。

もしも目の前に神様が現れて
お前の望みをひとつかなえてやろう
なーんて言われたら
私はなにをお願いするだろう。
って、いちおうなにかを探すフリを
してみたりするのだけれど
本当はもうちゃんと決まっている。
かなったらどうしよう。
たぶんドキドキしちゃうな。
ソワソワもするんじゃないかな。
ウルウルにだってなるかも知れない。
それでもいいのさ。
夢がかなうってそういうことでしょ?
まっ、すべては神様が現れてからだな、
ドキドキするのも、ソワソワするのも、
ウルウルになるのも。
まずは神様の出現、それからオーダー。
いつ現れてくれる予定なんだろう、神様。
あっ、そうだ。今日はクリスマスイブ!
神様の足音が聞こえてきそうな雰囲気。

「なにいっちゃってるの?
聞こえてくるのは神様の足音じゃなく鈴の音よ。
だいいち神様ってクリスマスイブにやって来る?
ふつーやって来るとしたら神様じゃなく
サンタクロースでしょ。アタマ、大丈夫?」
「あーそうか。星野、ぼく、舞い上がってる?」
「えぇ、しかも恐ろしくね」
「じゃあ、サンタクロースにお願いすればいいのか」
「お願いってなにをよ」
「ぼくの望みだよ。かなえてほしいって」
「聞き分けのないオトナの望みなんか
サンタさん、かなえてくれると思う?」
「そうか・・・やっぱりダメか」
「ダメかって・・・片桐くん凹んじゃった?」
「ううん、大丈夫だよ。
夢がかなったら嬉しいなって思っただけだから」
「ちなみにどんな望みなのよ」
「明日、雪が降ればいいなって」
「雪?」
「そう。そしたら雪合戦しようって
星野を誘えるかなって。
一緒に雪の中で遊べたら
ずっと忘れられないクリスマスに
なるんじゃないかって思ったんだ」
「えっ!・・・・・・・・片桐くん、
なんて素敵な望みなの?いいわ、
私が神様、呼んであげる」
「えっ、星野が?」
「えぇ。そのかわり願いがかなったら
神様にお礼をしなくちゃならないと思うわ」
「お礼ってなにを?」
「クリスマスディナーなんかが
喜ばれるんじゃないかしら」
「えっ、神様ってご飯、食べるんだ」
「えぇ、もちろんよ。
でも二日酔いで食欲がないようだったら
かわりに私が食べてあげるつもり。
だってもったいないでしょ?」
「星野・・・・明日神様が二日酔いになる確率は?」
「100%だと思うわ」
「・・・・・・星野、たとえ雪が降らなくても
しよ、雪合戦!」
「えぇ!」

アホか!お前ら!ってな感じのクリスマスイブ。
皆さんに素敵なクリスマスが訪れますことを!

※12月の終わりにヴィオラが種を作っていました。

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