ボクにも愛を。
「ロバート、こっちを見て!」
「えっ?」
「いいから!」
「ジュリア・・・」
「なに?」
「そんなに見つめられると
心臓がバクバクしちゃうよ」
「触っていい?」
「・・・・うん・・・えっ、心臓?」
「ばかね、わたしは外科医か!」
「胸をってこと?・・・あっ!」
「あんまりバクバクしてないわよ。
おかしいわねぇ。耳つけちゃおぅっと」
「ひぇー!・・・どぉ?」
「動いてる、動いてる!
だんだん大きく早くなってきたみたいよ。
いまなにを考えてる?ロバート」
「ジュリアの見えないマドラーで頭の中を
グルグルかき回されているみたいだなって」
「困惑?それとも甘美?」
「ぅわー!!!両方!」
「ロバートの頭の中って複雑なのね。
わたしはタンジュンな人間だから」
「そんなことはないよ。
ジュリアがタンジュンな人間だったら
ぼくなんかただの名もないゾウリムシさ。
ジュリアはすっごくかわいくて神秘的!
ときどき聖女みたいだし
そうかと思うと小悪魔的なところもあって。
いままでジュリアと一緒にいて
退屈したことなんて一度もないよ」
「まぁ!どうしましょ。
今夜のロバートは雄弁ね」
「おしゃべりな名もなきゾウリムシは
困惑と甘美で心臓バクバク!」
「まぁ、ロバートったら」
「ハハハハッ!」
※写真は昨日ペットショップで見かけた珍しい魚。
テトラオドン ミウルスという名前らしいです。
アフリカのコンゴ川に生息する淡水魚の子ども。
3cmくらいしかないのに生意気そうでかわいい。
マイクを向けたら何か言うんじゃないかな(笑)。