ともだち。

いまよりもずっと若かった頃、
私は誰かと一緒にいる時の
沈黙の時間がとても苦手だった。
私と一緒にいることで退屈を感じたり
面白くないと相手に思われるのが怖くて
無理やり白い時間を何かの色で
必死に埋めようとしていた気がする。
無理に喋るから話は唐突になったり
ぎこちないものになったり
場違いな問いかけをしたりして、
本来相手との距離を縮めるための
コミュニケーションのはずが
縮めるどころか広げていってしまった。
もしかしたら自分は面白いヤツ、
会っていて楽しいヤツと少しでも
思われないといけないんじゃないかと
気持ちが焦っていたのかも知れない。
だから表面的に付き合う友だちはいても
なんでも話し合える仲のいい友だちは
なかなかできなかった。
中学でも高校でもそんな感じだったから
受験に失敗して過ごした浪人時代は
ものすごく気楽な1年だった。
誰にも気を遣う必要なんてないし
勉強さえしていればそれでよかったのだから。

それが功奏したのかどうかわからないけれど
大学時代の私はもう誰かといる時の
白い時間を怖いと思わなくなっていた。
そして少しずつリラックスして
友だちと接することができるようになり
白い時間を”沈黙”ではなく
”間”と思えるようになった。
特にテニスをするようになってからは
気軽に話しかけたり
アホなことを言い合っているうちに
気の合う仲間がけっこうできたのは
私にとって大変な収穫だったと思う。

それでもたま〜にまた、
新しい人と接する機会が訪れると
緊張したり話がギクシャクすることもある。
だけどそれはほんのいっ時のこと。
白い時間はどんどん減っていってる。

来春からは町内会の理事を引き受ける。
人と接する機会が恐ろしく増えそうだけれど
それを楽しもうと思える自分が心強い。

※写真はピーマンの赤ちゃん。
怖いもの知らずの色をしていた。

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