そんなつもりじゃ・・・。
ニョキニョキ
ニョキニョキ
ニョキニョキニョキ
新しい芽が
どんどん伸びていく
怖いもの知らずに
ニョキニョキ
神に祝福されながら
ニョキニョキ
太陽を独り占めする勢いで
ニョキニョキ
迷わず一心不乱に
ニョキニョキ
その調子 その調子
「素敵な先っぽだね。
いつでも宇宙に向かって飛び立てそう。
きみを描いてみたくなったよ」
「わたしを?な まあ、嬉しい!
でもわたしにはあなたが描いてくれた絵を
見ることはできない。残念だわ。
でもあなたに素敵って
褒めてもらえたからすごく嬉しい」
「日照りがきついから喉渇くでしょ。
根元に水を撒いておいてあげるね。
散歩する時にいつも持ち歩いているんだ」
おーい、こっちにも撒いてくれ〜。
あたしだって喉からからよー。
なに言っちゃってるの、私が先よ!
オレだって水欲しいよ〜!
・・・・・えっ?
ペットボトルには200mlしか
入ってないんだよ。
もうすぐ梅雨が来るからさ。
「あの子だけ、ずっるーい!」
「絵まで描いてもらえるんですってよ」
「特別扱いなのね。
私なんか雑草扱いされて
人間から見向きもされないってのに」
そっ、そっ、そんな〜。
そんなつもりの朝じゃないのに〜・・・