雨音を聞きながら。
いつだったか、以前に
“あめがふるときちょうちょうはどこへ”
という絵本を読んだことがあります。
そう言われればたしかに蝶はどこで雨を
やり過ごすのだろうとその時興味を抱きました。
その絵本によると雨が降ると蝶は葉っぱの裏側や
樹の幹にできた割れ目などに避難するらしいです。
以来、雨の日は雨水に濡れた葉の下に
蝶がそっと身を潜めている光景をぼくは
なんとなく思い浮かべるようになりました。
紫陽花のしっかりした葉の裏側にいる蝶、
葉に降り注ぐ雨音をじっと聞いている蝶、
雨粒の当たる振動に耐えている蝶を。
蝶の寿命は2〜3週間だと言われています。
雨が降り出すとどうしているだろうとか
梅雨の長雨だと気の毒だなとか
気になることはたまにありますが、
感傷的な気持ちにはほとんどなりません。
ただただ葉っぱの裏側で羽を休めている
そんな蝶の姿が不思議と思い浮かぶのです。