窓と扉。

人が生まれるということは
その人の世界が始まるということ。
人が死ぬということは
その人が生きた世界が終わるということ。
ひとつの世界の中に人々がいるわけではなく
人それぞれが自分の世界の中で生まれ、
学び、生産し、恋をし、老い、死ぬ。
つまりworldではなくworldsなのだ。
私の世界、あなたの世界・・・
私の世界には外を眺める窓があり、
誰かや何かを招き入れる扉があった。
その窓を通じて新しい風が吹き込んだり、
扉からはいろんな人が
入ってきては出ていったりした。
扉に鍵をかけてしまったこともあったし、
扉を開けても入ってこない人もいた。
私の世界は時に素晴らしく、時にウンザリ。
そして時に賑やかで、時に寂しさを感じた。
だけど窓や扉があるおかげで
私の世界はたくさんの刺激を受けた。
刺激を受けることは生きること。違う?
あなたの世界はどんなふうなんだろう。
窓からはどんな景色が見える?
扉からはどんな人たちが入ってきた?
新しい風、新しい人・・・
新しい刺激を受け入れる気持ちだけは
いつだってもっていたいよね。
窓の近くにカメラや双眼鏡を置いたり、
扉のちょうつがいの具合を確かめたり。
人はそんなふうに生きているのだと思う。


