忘れたくない時間。
“人は孤独な時、自分と共にいる”
哲学者アンナ・ハーレントの言葉。
そして彼女はその後をこう続ける
“孤独の中で人は考えを深めることができる。
ただ時に人は自分と一緒にいられない時がある。
それが寂しさなのです”
(たぶんハーレントの言う”孤独”は
”ひとりでいること”を意味するのだと思います)
情報化社会の中で自分と向き合う時間が
失われつつある今の時代において
ハーレントの言葉はひとりでいることの難しさと
その意味を考えさせられるのです。
孤独を単純に寂しいこととか
孤立無援みたいなものと捉えてしまうと
彼女の言葉の意味するところを
誤解してしまうかもしれない。
ひとりでいる時間は自分を見つめる機会であり
それを恐れる必要も遠ざける必要もない。
ひとりになり自分自身と向き合うことで
時として寂しさを感じるということも
理解できる気がする。
でもそれは決して人間の弱さではなく
たぶん人間ひとりひとりがもつ本性なのだ。
寂しさを感じて他者とつながる。
人間はひとりでは生きていけないし
共鳴する楽しさや理解される安心感
そういったものは大袈裟な言い方かも
しれないけれど生きる希望に違いない。
でも楽しさや安心感だけを追い求め
他者とつながってばかりだと
寂しさを感じることもなくなって
自分というものを逃してしまう。
そんなことを思ったのでした。
※圧倒的な勢いで咲き誇る躑躅。
街路樹として扱われても
愚痴をこぼすわけでもなく、
桜を羨ましく思うわけでもなく、
ただひたすら一所懸命に咲く姿に
心を打たれ幸せな気持ちになりました。
この道を誰かと話しながら歩いていたら
気に留めることもなかったかもしれない。
自分と一緒にいる・・・大事なことですね。