変わりゆくもの。
水面に油絵のように映る
川沿いの景色と空。
ぼくは小学校の頃、
学校が終わるとこの橋を渡って
伊勢佐木町商店街でよく遊んだ。
仲のいい友だちが何人かいて
その子たちと路地裏を探検したり、
ゲームセンターで時間を潰したり、
”へびや”のガラスケースを眺めたり、
野澤屋の店内で”ドロジュン”をしたり、
ローラースケート場で
追いかけっこをしたのを覚えている。
喉が渇くと公園の水道で水を飲んだ。
飲んですぐに走るとお腹がタポタポいった。
メリーさんにも何度か会った。
大岡川にガラスの空き瓶を投げ入れ
石を投げて割る競争もした。
夕飯時になっても夢中で遊んでいて
親に警察に捜索願を出されたこともある。
”由展ちゃん誘拐事件”の衝撃が
まだ冷めやらぬ頃だったから
今思えば親は肝を冷やしたに違いない。
あれから半世紀以上経って
伊勢佐木町商店街(イセザキモール)は
すっかり変わってしまった。
当時の面影を残すものはほとんどない。
街も人と同じように
時とともに変わっていくのだろう。
ぼくはフレディとの散歩がてら
たまに足を伸ばして”ザキブラ”をする。
そうするといつしか知らないうちに
あの当時の自分にひょっこり
会えるような気がして
辺りをキョロキョロしてしまうのだ。
当時の自分が今の自分に出会ったら、
なんて言うかな?
「ん~、残念かも~」
残念?いくらなんでもそりゃあないだろ!