友の声。

書いては消し消しては書く
 言葉が見つからないのか
 気持ちが揺れているのか
 何度も何度も繰り返し
 書き直しているだけで
 時間ばかりがいたずらに過ぎてゆく
 もうやめてしまおう
 そう心に決めてライトを消し
 目を閉じても眠れない
”あきらめてはダメだよ
 疲れてしまったら休めばいい
 それだけのことさ”
 そこにいるのは誰?
 ”誰だっていいじゃないか
 今夜は自分の気持ちに従えよ”
 聞き覚えのある声
 たぶんぼくはきみを知ってる
 だけど確かめる必要はないんだね
 ”分かっているじゃないか”
 そう暗闇が明るい声で言う
 懐かしい友の魂に触れたような
 そんな気がした
※纏わりつくような雨と生温かい風の後で
 やっと明るい陽の光がやってきました。
 その時を待っていたかのように
 開きかけた蕾。さあ!


