丘の上で。

生まれ育った町だから・・・
といっても隅々まで道を
知っているわけではありません。
新しくできた道もありますし、
一度も通ったことのない道もたくさんあります。
フレディに引っ張られるにまかせ
入り組んだ道を歩いたり走ったりしていると
いったい自分たちはどこにいるのだろうと
ときどき迷ってしまうことがあります。
とくにフレディは階段を見ると
登っていかなければ気が済まない性分らしく
引っ張られるにまかせて登っていくと
どん詰まりがお宅の玄関になっていたり(笑)。

今朝は本当にいきなり暑かったぁ。
写真は新しい丘の上から撮った町の様子。
写真には写っていませんが、私、汗だくです。

「ご主人様、朝からいい汗かいてますね。
青春のど真ん中みたいじゃないですか」
「セイシュン?
それはどのようなものかね、フレディ君」
「ご存知ないですか?青春ですよ、青春」
「あぁ、やっと思い出したよ。
私の記憶の層のずっと下の方に埋もれて
半ば化石化してしまっていた言葉だ。
それがどうしたって?」
「ご主人様、今がまさに青春って顔してますよ」
「よせやい、私はあと7年もすれば
子育ての呪縛から解かれるような歳。
青春とはあいつらとかきみのような
年齢の者を指す言葉だよ」
「なにをおっしゃいます、ご主人様。
かのサミュエル・ウルマンは”YOUTH”という
詩の中でこう言っています。
”ときには、20歳の成年より
60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うとき初めて老いる”と」
「・・・・・フレディ、
きみはいったいどこの星から・・・」
「やって来たって聞きたいんでしょ?
ご主人様と同じここ地球生まれですよ。
ただし、あっしは地球人ではなく地球犬」
「ほぅ!地球犬よ、私が青春ど真ん中に見えるかね」
「ワン!」
「さっ、ウンチも済んだことだし
そうそそろ帰るとしようか」
「わかりました!
あっ、そっちは隣町に行く道ですよ」
「えっ?」

はい、おしまい。

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