まあだだよ。

「なんか梅雨、明けてね?」
 「これだけいい天気だものね」
 「予報もずっと晴れマーク」
 「これじゃ紫陽花が気の毒ね」
 「まだ6月だってのになぁ」
 「日傘が手放せなくなるわね」
 「おれ、帽子買いに行こっと」
 「ミーは水がめがチョー心配。
 こんなに暑いのに節水なんてことに
 なったら・・・」
 「おれ、いまのうちに洗車しとこかな」
 ・・・・・・・・・・・・
 「だけどホントに梅雨、明けたのかな」
 「あたしもちょっと信じられない気がする」
 「おれも!」
 「あたしも」
 「ミーもざんす」
 「梅雨明けにしちゃ、何かが足りないよね」
 「そうそう、おれもそう感じるんだ」
 「足りない?なんだろ」
 「努力!」
 「ばーか、努力で夏が来るかよ」
 「なんか・・・静かじゃない?」
 「静か・・・言われてみればたしかに」
 「あっそうか、分かった!分かったよ!
 蝉!蝉の声が足りない!」
どんなに晴れの日が続いても
 それが本物かどうかを見極めるために
 蝉たちは土の中で会議を開いている。
 そんな想像をしてカラカラッと
 笑ってしまいました。
※柵を外したら一斉に走り出しそうな向日葵。
 もう少しであなたたちの季節だね。


